ステンレスとは
ステンレスとは?
錆びにくい、鉄の合金
ステンレスとは、鉄をベースにクロムを10.5%以上含んだ合金のことを指します。
ステンレスは英語でstainless steelと表記しますが、直訳するとステンレス鋼となり、これが日本での正式名称となっています。この”stainless”とは「錆びにくい」という意味です。
その名の通り錆びにくく、耐久性に優れた素材です。
ステンレスが錆びにくい理由は、「不動態皮膜」と呼ばれる表面に目に見えない薄い保護膜ができる為です。
日本では1918年頃からステンレスの研究・生産が始まった比較的新しい金属素材です。現在では、身の回りのあらゆる製品に使われており、私たちの暮らしに欠かせない存在となっています。
ステンレスの特長と種類
美しさ・耐久性・衛生性を兼ね備えた万能素材
ステンレスの最大の特徴は、錆びにくさと、それに伴う耐久性、寿命の長さです。塗装などの表面処理を施さなくても美しい光沢を保てるため、装飾性にも優れています。また、耐熱性・耐寒性があり、衛生面でも優れているため、過酷な環境や清潔さが求められる現場でも広く使用されています。
ステンレスの代表的な種類は、次の2つです。
| SUS304(オーステナイト系) |
クロム18% ニッケル8%を含む。磁性を持たず、加工性・耐食性に優れた鋼種 |
| SUS430(フェライト系) |
クロム18%を含み、ニッケルを含まない。磁性を持ち、熱伝導性に優れた鋼種 |
このほかにも、マルテンサイト系、二相系、析出硬化系など、用途に応じてさまざまな鋼種が使われています。
見た目の美しさだけでなく、高い機能性を兼ね備えた素材であることが、ステンレスの大きな魅力です。
ステンレスの用途
暮らしのすぐそばにある素材
ステンレスは私たちの身近なところで数多く使われており、生活や産業のあらゆる場面に登場します。
詳しくはステンレスの用途もご確認下さい。
主な使用用途は以下の通りです。
| 住まい・建築資材 |
手すり、外装、構造材、玄関ドアなど |
| 食品・厨房機器 |
業務用調理機器、シンク、冷蔵庫、調理台、食器類など |
| 輸送機器 |
自動車・バイクのマフラー、列車の外板、船舶部品など |
| 医療・衛生分野 |
手術器具、注射針、減菌機など |
| 産業・インフラ |
半導体製造装置、プラント設備、発電所、水処理設備など |
このように、耐久性や衛生性を求められる環境で幅広く活躍する素材です。
ステンレスがサステナブルな理由
環境に優しい「循環型素材」
ステンレスは、地球環境にやさしいサステナブル素材としても注目されています。
主な理由は次の3点です。
1長寿命で廃棄が少ない
錆びにくく、メンテナンスがほとんど不要なため、長期間使用できます。結果として資源の無駄が減り、環境負荷が低減します。
2高いリサイクル率
一度使われたステンレスは、品質をほとんど落とさずに何度も再利用できます。スクラップとして電炉に戻し、ニッケルやクロムなどの成分を調整して再生されます。
3CO₂排出の少ない生産設備への転換
近年では、原料の多くをスクラップなどのリサイクル材とする電炉(でんろ)設備製法への転換が進んでいます。これは従来の高炉に比べてCO₂排出量が少なく、環境に優しい製造方法となる生産設備です。
これらの理由から、ステンレスは製造・使用・リサイクルのすべての段階で持続可能な素材といえます。
ステンレスの未来
新素材と新分野で広がる可能性
ステンレスの需要は今後も拡大が見込まれています。
水辺環境及び新エネルギー分野など、耐久性・耐食性を活かした新たな用途が広がっています。
また、現在の価格変動要因であるニッケルに代わる、「ニッケルフリー」ステンレスの開発も進行中。これにより、コスト低減とさらなる用途拡大が期待されています。
ステンレスは、建築・輸送・医療・エネルギーといった多様な分野で、人と環境にやさしい素材として社会に貢献する存在であり、これからの時代を支える持続可能なインフラ素材として、進化を続けています。